体質に合わせた仕上げの厚さとキルティングの選び方

オリジナル 変形5×5キルト

側生地の選び方で、羽毛布団の快適さは決まる

「側生地って何を選んでも一緒でしょ?」 いえいえ、側生地の選び方で仕上がりの風合いが全く異なります。また、キルティング方法によって、仕上がりの厚み=保温力が異なります。快適な眠りのためには、使う人の体質や好みに合わせた生地の選択が必要なのです。

快眠のための側生地の選び方
「側生地って何を選んでも一緒でしょ?」 いえいえ、側生地の選び方で仕上がりの風合いが全く異なります。また、キルティング方法によって、仕上がりの厚み=保温力が異なります。快適な眠りのためには、使う人の体質や好みに合わせた生地の選択が必要なのです。眠りのプロショップSawadaがおすすめするのは、綿100%で軽量(100g/平米以下)、通気性の良い生地です。

自分の体質に合わせて仕上げの厚さを選ぶ

保温力の目安を知り、キルティングと充てん量を選ぶ

私どもの羽毛ふとんは、保温力の目安を付けています。保温力が小さい ●○○○○ から 保温力が大きい ●●●●● まで5段階にしています。

保温力表示代表的な使用時期キルティング
●○○○○肌:5~7月 9月6×7 直or 2cmマチ
●●○○○合:4~5月 9~11月5×6 4cm
●●●○○中厚:10~5月5×6 7cm
●●●●○普通厚:10~4月変形5×5 7cm
●●●●●厚手:11~3月二層キルト

代表的な使用時期については、あくまで目安です。使う人の体質・住んでいる地域の気候風土・寝室の陽当たり・断熱性通気性などによって、当然のことながら差がでます。

高気密高断熱住宅や、暑がりなら中厚仕上げ 5×6キルト

5×6マス 立体キルティング

シングルで5×6マス=30マスは中厚という、標準よりは少し薄めの仕上がりになり、マスが多い分通気性も向上します。都市部のマンションや、昨今多い高気密高断熱住宅、代謝量の多い男性や若者、子どもさんはこれぐらいで仕上げた方が無難です。また、お客様用も季節を幅広く使える中厚仕上げの方がいいでしょう。立体キルトのマチ高さは7cmで、完全立体キルト加工もできます。

4~5月に最適な合掛け布団を作る場合は、5×6キルトはそのままで、マチを4cmマチにします。この場合は通常立体キルトのみです。

迷ったら、一番無難な標準仕上げ 変形5×5キルト

従来の一般的な厚みの仕上げです。一番無難なので、迷ったらこの厚みに仕上げておきましょう。眠りのプロショップSawadaでは、両サイドを1/2にした変形5×5仕上げをおすすめしています。身体の中央部に縫い目が来ないので、熱の逃げが少なくなり、身体のフィット性も向上します。

立体キルトのマチ高さは7cmで、11cmのふっくらオプションや、完全立体キルト加工もできます。

変形5×5キルト

一般に多い4×5キルトがかかえる問題点

日本に出回っている普通厚仕上げの羽毛布団は、ほとんどが下図のような4×5マスキルティングです。このキルティングは中央部分に縫い目が来るために、熱が逃げやすく、保温力が低下するという問題を抱えています。上記の変形5×5キルトであれば、その問題は解決できます。

最もポピュラーに出回っている4×5キルト仕上げ

寒がりの方には二層構造CONキルト

寒がりの方や、従来の日本家屋で部屋が寒い場合は二層構造になったキルティングでふっくら厚めに仕上げます。保温力が高いために、場合によっては11月末ぐらいに冷え込まないと使えないという場合もありますので、二層式にするかどうかはカウンセリングでお選びください。

二層式CONキルト
Q:羽毛布団の二層式キルトを選ぶべきでしょうか?
羽毛布団の高級品には、保温性を高めるための二層式ツインキルトが多くあります。二層式は保温力があるものの、蒸れやすくなるため今日の住宅状況では、あまりおすすめできません。寒がりなど体質や住環境に合わせて選ぶべきです。

オールシーズンで考えるなら中厚+肌仕上げ

春秋は中厚、初夏~初秋は肌、冬は二枚合わせという組合せで年間通して使えるのが2枚重ね方式です。

●●●○○中厚掛+●○○○○肌掛の二枚重ね

通常立体キルト と 完全立体キルト

5×6キルトや変形5×5キルトなど、二層構造キルト以外のキルティングは「通常立体キルト」と「完全立体キルト」の2種類をお選びいただけます。

通常立体キルトの場合、羽毛を充填するためのホースを差し入れるために、マスとマスの間には隙間が作られています。そのために、使用しているうちにマス目間を羽毛が移動して片寄ることがあります。

一方、完全立体キルトは特殊な縫製をして、マス目間を羽毛が移動できないような工夫がなされています。そのために、羽毛が片寄ることがありません。眠りのプロショップSawadaではS9100以上の羽毛ふとん側は基本的に完全立体キルトをおすすめしています。

なお、合掛けに使用する4cmマチ、肌掛けに使用する2cmマチの場合は、通常立体キルトのみになります。

足し羽毛の選び方と考え方

羽毛を洗浄除塵すると、量が減ります

羽毛を洗浄除塵すると、ゴミ等が取り除かれるので、当初の羽毛の量より減ります。減る割合は、元の羽毛の品質によって異なり、良い羽毛ほど減る割合が小さくなります。羽毛布団のリフォームは羽毛の通信簿といえるでしょう。

減る割合はステッキーダウンや440dpのプレミアムゴールドラベルの羽毛なら約10%ぐらい、ロイヤルゴールドラベルクラスなら15%ぐらい、エクセルゴールドラベルクラスなら20%ぐらいが目安です。

ただ、使用状況によって減る羽毛の量は変わります。プレミアムゴールドラベルの羽毛であっても、15年以上洗っていない、汗かきで相当汚れているなどのケースでは15%以上減ることもあります。

いままでの経験で最も減ったのは40%でした。ただ、30%以上も減るような羽毛の場合は、リフォームできないわけではありませんが、ゴミが出やすくへたりやすい羽毛なので、このクラスは買い換えをおすすめしています。古い羽毛布団でも足し羽毛を増やせばリフォームが可能になります。

40年前の羽毛布団はリフォームできるのか?
40年前の羽毛布団。今の羽毛の規格より、かなり甘い時代のもので、外から触っても羽根の芯がはっきりわかるぐらいの品で、嵩もありません。「これは無理かな」と思いつつも、再利用できたらお願いしたいというお客様の思いを受け止めて、足し羽毛もリサイクルダウンを使ってリフォームをしてみたところ、予想以上にしっかりと風合いが戻りました。長く使えるという羽毛の可能性に出会った体験でした

長く洗っていない羽毛は、回復しにくい+量が減りやすい

羽毛布団を長く使うために、私どもでは下記のような手入れをおすすめしています。

定期的に丸洗いなどの手入れができているといいのですが、15年も洗ったことがないという羽毛布団も多くあります。この場合汚れがこびりついて、洗剤を多くして洗っても羽毛の嵩が充分に回復しない場合があります。そうなると、元の羽毛が良くても洗浄除塵の過程でより多くの羽毛が失われることになります。

できるだけオリジナルに近い羽毛を足すこと

ふっくらさせるだけならともかく、長く使うためには、元々入っていた羽毛と同じレベルの足し羽毛にすることをおすすめします。特に上質な羽毛の場合、安い足し羽毛をすると、その良さが損なわれることも多いので、できればグースダウンの羽毛にはグースダウンを足すのが理想的です。羽毛の状態と合わせてカウンセリングの上、ご提案をいたします。

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