大塚家具さんのダウナ(DAUNA)の羽毛布団をリフォームしたいというお問合せが多いので、リフォームする上での注意事項とおすすめリフォームパックをご提案いたします。
ダウナ(DAUNA)羽毛布団の特徴
ダウナ羽毛布団はヨーロッパでOEM製造されて、輸入されています。
そのため、日本の羽毛布団とは違う部分がいくつかあります。(大塚家具さんのWEBサイトより)
生地が軽量で通気性が良い
日本では綿100%生地の場合、サテン(繻子)織りが圧倒的です。
しかし、生地重量が最上級品でも94~100g/㎡クラス、80番手で114g/㎡、多い60番手だと137g/㎡程度で、通気度も1~1.7cc程度とあまり高い通気性は得られません。(ポリエステル混よりはましです)
ヨーロッパは伝統的に平織生地が多く、68g/㎡~90g/㎡と軽くて通気性も4~7ccと国内規格よりも優れています。(日本国内規格は平織の場合で4cc以下にするとしています)
ダウナの生地はドイツ・サンダース社のものという情報をいただきました。
打込みが295本であることから、サンダースのカタログを見ますと、PB(プライベートブランドの略?)という正式品番のないものが載っています。
縦81番手横90番手 打込み295本で 86g/㎡というスペックが載っています。状況からの推定ですが、この生地ではないかと考えられます。
キルティングはインターシーム
ヨーロッパのメーカーに多い立体キルト用の縫製で、縫い目が内側に入って外に出ないような縫製になっています。縫い目からの吹き出しが少なくなります。
通常の立体キルトですので、羽毛がマス目間を移動するリスクがあります。
マチ高は11cmです。ふっくらと仕上がるのですが、羽毛がへたってくるとマス目で偏りやすくなる短所があります。
マチに使用している生地が薄いので、いままで、リフォームに持ち込まれたダウナ羽毛布団では、しばしばマチが破れたりほつれたりしているケースが散見されました。
ダウナの羽毛の質と量から考えますとマチ高は11cmよりは、7cm程度の方がバランスが良さそうです。
キルティングはシングルサイズで4×5が標準です。
羽毛は上級のマザーグースクラス
羽毛については、日本のマザーグースの上級とほぼ同じで440dp程度と思われます。
羽毛の充てん量は現在では960g入りですが、リフォームに持ち込まれる羽毛布団は1,050g入りが多いです。日本の住環境の変化で羽毛の量を減らしたのか、羽毛の高騰のせいなのかは不明です。おそらく両方の事情があったのではないかと推測します。
ちなみに私どもでダウナと同等のS9100生地に440dpの羽毛で布団を作る場合は、変形5×5キルト(後述)で950g入りで仕上げます。
ただ、今まで多くのダウナ羽毛布団のリフォームを行った経験からいいますと、ダウナはダウンファイバーと呼ばれる羽毛ゴミが比較的に多く、それが生地からの吹き出しにつながっています。特に長く使ってへたっているダウナ羽毛布団は、損傷が多くダウンファイバーが増えます。13~15年以上でその傾向が強いため、ダウナ羽毛布団のリフォームは10年を目安に行なうのがベストでしょう。
生地は軽量の平織をおすすめ。一般的なサテン生地は風合いが落ちる
ダウナ羽毛布団をリフォームする際の側生地には少なくとも95g/㎡以下の重量の生地をおすすめします。通常は平織になり、当店ですとS9100(85g/㎡)が最も近く、SB8080(94g/㎡)も許容範囲です。もちろんドイツ製のTE200、TE270も使えます。
サテン生地でリフォームすると風合いが大きく異なり、仕上がりでがっかりすることになります。一般の羽毛布団リフォームだと、超長綿60サテン(135~140g/㎡)や高級版でも超長綿80サテン(114g/㎡)が多く、ダウナの生地の85g/㎡に比べると、生地重量が重くなり、通気性も低下しますので、ダウナの持つ軽さや通気性の良さを損ねてしまいます。生地が重いと同じ重量の羽毛を入れても嵩高も減ってしまいます。
サテンの場合は最低100番手(100g/㎡前後)を使います。120番手(94g/㎡)クラスですと、なんとか同じレベルで仕上がりますが、サテン生地は通気性が平織より悪いので、使用感は異なり蒸れやすく感じます。
使う人の体質や住環境にあわせて、最適な仕上げの厚さを決める
暑がり向け、少し薄手の仕上げ
従来通りの厚み仕上げ
寒がり向け、厚手の仕上げ
従来と同じような厚さに仕上げる(普通仕上げ 変形5×5キルト)
ダウナは元々4×5キルトに仕上がっています(シングルサイズの場合)。同じ厚みに仕上げるには4×5でも良いのですが、当店は変形5×5キルトという中央部に縫い目が来ない当社のオリジナルキルトに仕上げます。
オリジナルの4×5キルトだと中央部から熱が逃げやすい
ダウナ・シングルサイズの4×5キルトでは人の中央部に縫い目が来てしまい、熱が逃げやすいという欠点があります。
保温力も身体へのフィット性も良い変形5×5キルト
変形5×5キルトはその欠点を解消するために、1マスを1/2ずつにして両サイドに配した当店オリジナルのキルティングです。身体の中央部に縫い目が来ないので保温性が上がります。さらに身体へのフィット感も良くなります。
ダウナ仕様では完全立体キルト仕様です。マス目間の羽毛の移動がなく偏りません。
オリジナルの立体キルトのマチ高は11㎝ですが、片寄りやすいので、当店ではバランスを考えて7㎝マチにしています。
ダブルサイズの場合は5×5、クイーンサイズの場合は6×5マスなので、変更はありません。
少し薄めに仕上げる(中厚仕上げ 5×6キルト)
東京など、太平洋岸の大都市部のマンション、あるいは、昨今増えてきた高気密高断熱住宅、汗かき等暑がり(主に男性)の方は、マス目の数を増やして(シングルで5×6 30マス) 元々よりも少し薄めの中厚に仕上げる方が、より快適に過ごせます。逆に寒がりや冷え性の場合は上記の普通仕上げがいいでしょう。
中厚仕上げ用の5×6キルトの側に1,100g以上の羽毛を入れると、詰まりすぎて羽毛本来の良さが得られません。ダウナと同じレベル440dpの羽毛であれば、新品の場合で800gが適当です。
睡眠環境と体質に合わせて、仕上げの厚さを変えた方が良いと思います。どうしたら良いかわからない場合は、普通仕上げが無難ですが、ご相談ください。
寒がりなので厚手に仕上げる(CON二層キルト)
従来の日本家屋で、寒がりの方はより保温力の高いCON二層キルトをご検討ください。ダウナの立体キルトのマチは11㎝ありますので、ふっくらとしていますが、マチ高が高いとマスの偏りが出やすくなります。二層構造にすると、厚さが均一になりますので、より保温力が上がります。
私どもは偏りやすい通常の二層キルト(3×4-4×5)ではなく、偏りの少ないCON二層キルト(3×5-4×6)にしています。さらに、中地も一般に多い通気性が良くないタフタ生地ではなく、通気性の良いメッシュ生地を使っていますので、蒸れ感も少なくなっています。
CON二層キルトの場合は足し羽毛も1.5倍にして、ふっくら仕上がるようにしています。特に中央部には厚めに仕上げて、保温性とフィット性を両立させています。
リフォームする場合は、元の羽毛の量より少し増やします
ご使用年数にもよりますが、10数年使った羽毛はそれなりに消耗しています。洗って乾燥させたといっても、新品と同じパワーを得ることはできません。ですから、当店ではリフォームをする際は元の羽毛布団に入っていた量より、少し多めに入れて仕上げます。
たとえば、シングルサイズは1,050g入りがほとんどですが、同じ厚みに仕上げる場合は1,100g入りにします。中厚にする場合は900~950gぐらいが妥当でしょう。(もちろん使用する生地によって、最適な羽毛の量は変わりますので、状況に合わせて、最適な羽毛量をおすすめします)
足し羽毛のグレードは元々のダウナの質と同じレベルを足します。私どもでいいますとHWG95(440dp) もしくは PWG93S(430dp)です。正直マザーグースまではオーバースペックで必要ないと判断しております。というのも、元々の羽毛のレベルがマザーグースにしてはパワー不足と感じているからです。
羽毛の損傷が大きい場合は、足し羽毛をPWG93(410dp)にダウングレードして、その分羽毛の量を増やすことをおすすめする場合があります。
羽毛の片寄りが気になる場合は、完全立体キルトをおすすめします
ダウナはシングルサイズで4×5キルトで11cmマチです。使い方によっては羽毛がマス目間を移動して片寄るケースがあります。その場合は通常の立体キルトではなく、マス目間で羽毛が移動しない完全立体キルト加工をおすすめします。当店の場合ダウナ羽毛布団をリフォームされた70%以上の方が完全立体キルト加工をご希望されます。(差額はシングルで+5,500円です)
迷ったら まず、ご相談下さい
ダウナ関連の記事をご一読いただくとわかりますが、同じダウナでも時期や使用状況等でずいぶんと状況が異なります。ただ、羽毛自体は元々しっかりしているものなので、リフォームができないということは、まずありません。
まず、ご相談ください、下記のリフォーム
現況の画像を送付ください 宛先は info3@sleep-natura.jp
おおよその見当を付けることができます。
私どもにお任せいただけるというのであれば、まずお手持ちのダウナ羽毛布団を私どもにご送付ください。段ボール箱に押し込んで
〒526-0052 滋賀県長浜市神前町9-11 眠りのプロショップSawada 0749-62-0057
こちらへご送付いただければ、到着後中身を確認して、ご提案申し上げます。
ダウナ羽毛布団リフォーム関連の情報
トップメニューからも移動できますが、こちらをごらんください
ダウナのおすすめリフォーム ドイツ製生地 TE200
TE200はドイツWeidmann社の110番手の平織生地で75g/㎡通気度5ccという上質の生地です。ダウナに使われている生地(85g/㎡)より軽量です。
足し羽毛は440dpのハンガリー産ホワイトグースで、ダウナと同等以上のパワーがある羽毛です。
TE200リフォームパック ハンガリーホワイトグースダウン440dp足し
二層以外はマス目間を羽毛が移動しない完全立体キルトです(通常立体キルトもできます)
サイズ | 保温力 | キルト | 足し羽毛 | 足し量 | 価格(税込) |
シングル |
●●●○○ 中厚 | 5×6 |
ハンガリーホワイトグースダウン HWG95 440dp |
150g | 93,000円 |
●●●●○ 普通厚 | 変形5×5 | 200g | 99,000円 | ||
●●●●● 厚め | CON二層 | 300g | 123,000円 | ||
ダブル 190×210cm |
●●●○○ 中厚 | 6×6 | 250g | 133,000円 | |
●●●●○ 普通厚 | 5×5 | 300g | 139,000円 | ||
●●●●● 厚め | CON二層 | 450g | 176,000円 | ||
クイーン 210×210cm |
●●●○○ 中厚 | 7×6 | 300g | 153,000円 | |
●●●●○ 普通厚 | 6×5 | 350g | 159,000円 | ||
●●●●● 厚め | CON二層 | 550g | 178,000円 |
セミシングル(135cm巾)・セミダブル(170cm巾)・キングサイズ(230cm巾)
その他に超ロングサイズ等ご希望のサイズも可能です
お手軽でほぼ同じように仕上がる オリジナル生地S9100
S9100はインド超長綿マハールを使った国産生地で、当社オリジナルの仕上げで風合いをソフトにしています。
生地重量も85g/㎡、通気度は3.2ccとダウナに近く、同じような風合いで仕上げすることができます。
通気度はダウナの生地よりは低いので、羽毛の吹き出しが気になる方は、こちらが無難です。
(リフォーム当初の風合いはS9100は100番手で打込み350本のために、ダウナより硬く感じます。なじめば問題ありません)
足し羽毛は430dpという他社ならマザーグースと呼ばれるクラスのポーランドホワイトグースダウンを足します。
なおS9100は残り生地がわずかになりました、サイズによってはお受けできないものもありますので、ご相談ください。
S9100 リフォームパック ポーランドホワイトグースダウン430dp足し ダウナ用
二層以外はマス目間を羽毛が移動しない完全立体キルトです(通常立体キルトもできます)
サイズ | 保温力 | キルト | 足し羽毛 | 足し量 | 価格(税込) |
シングル |
●●●○○ 中厚 | 5×6 |
ポーランドホワイトグースダウンPWG93 430dp |
150g | 66,900円 |
●●●●○ 普通厚 | 変形5×5 | 200g | 71,900円 | ||
●●●●● 厚め | CON二層 | 300g | 87,900円 | ||
ダブル |
●●●○○ 中厚 | 6×6 | 250g | 93,900円 | |
●●●●○ 普通厚 | 5×5 | 300g | 99,900円 | ||
●●●●● 厚め | CON二層 | 450g | 123,900円 | ||
クイーン 210×210cm |
●●●○○ 中厚 | 7×6 | 300g | 107,000円 | |
●●●●○ 普通厚 | 6×5 | 350g | 115,000円 | ||
●●●●● 厚め | CON二層 | 550g | 143,000円 |
セミシングル(135cm巾)・セミダブル(170cm巾)・キングサイズ(230cm巾)
その他に超ロングサイズ等ご希望のサイズも可能です
ダウナの羽毛と同等レベルの足し羽毛をご希望の方は ハンガリーホワイトグースダウン95%(HWG95)440dpをお選び下さい。差額は100g当り2,200円です。シングルサイズの中厚は+3,300円、普通厚は+4,400円、厚めCON二層キルトは+6,600円となります。ご相談下さい。
ただご使用年数の経ったダウナは標準足し羽毛量で足らないケースもままあります。羽毛の質を上げた方がいいのか、羽毛の量を増やした方がいいかは羽毛の状況によって異なります。最適なおすすめを提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。