羽毛布団、羽毛布団リフォーム6/1価格改定

ダウナ羽毛布団をリフォームしましたが、以前に比べて生地が硬くなったような気がするのですが

ダウナDauna羽毛布団をS9100(100番手平織)の生地を使ってリフォームいただいたお客様から、「軽くて暖かいです。新品に蘇り嬉しいです。」と早速に感想をいただいたのですが、同時に「布団の生地はもう少し柔らかかった気がしますが、使っているうちに柔らかくなるのでしようか?」とご質問をいただきました。

目次

羽毛布団の生地は使用しているうちに柔らかくなっていく

羽毛布団に限らす、どのような生地でも使用しているうちに柔らかくなっていきます。今回のケースは2011年製のダウナをご購入されてのリフォームです。生地は呼吸しますので、汗を吸って放出する過程で、柔らかくなります。

特にダウナの生地は通気性が良いため、快適に使える反面、生地の汚れややつれは早くなります。ポリエステルなどの合成繊維だと、生地がやつれることは少ないのですが、その分通気性が悪く、平織り生地だとシャカシャカ音がしつづけます。

丸洗いをするとさらに柔らかくなるが、吹き出しのリスクが高くなる

丸洗いをすると、さらに柔らかくなります。ただし、丸洗いをするとダウンプルーフ加工(羽毛の吹き止め加工)の効果がかなり低下するために、通気度が上がります。そのことは良いのですが、ゴミの多い羽毛だと側生地からの吹き出しが出るリスクが高くなります。ダウナ羽毛布団で一時期、ドライもウェットどちらのクリーニングもダメという表示がありました。ダウナは新品状態でもしばしば羽毛の吹き出しが報告されています。おそらく通気度が5ccぐらいかと推測しますが、丸洗いをすると通気度が10ccを超えることが予想されますので、羽毛の状態によっては基本的には丸洗いをおすすめできない生地なのです。

一方で国産生地としてはポピュラーなE6060(蔭山の60番手サテン)は初期通気度が1.6ccで、洗濯後に3.7ccに跳ね上がります。新品の状態では問題がありませんが、ダックダウンなど低品質でダウンファイバーが多い羽毛を使ったばあい、丸洗い後の3.7ccでは、羽毛の吹き出しが出る可能性があります。

当店オリジナルのSB80生地は通気度2.6cc、SB100は通気度3.6ccですが、平織りで経糸・緯糸の打込みがほぼ同じなので、丸洗い後も4~4.5ccぐらいの収めています。上記のようなサテン織りのは生地の構造は、洗濯後の通気度変化が大きいのです。

サテン織りは柔らかいが、洗うと組織が崩れやすい
平織は洗っても組織が安定している

長く使うためには3~5年に一度、羽毛布団の丸洗いはしていただきたいのですが、一方で、吹き出しがでるというリスクがありますので、不安な方はご相談ください。

ダウナの生地は打込みが甘い分、柔らかく感じる

ダウナの羽毛布団はドイツ・サンダース社の生地を使っています。

サンダース社の生地のリストですが、PBという品番がダウナ用ではないかと推測されます。経糸は81番手、緯糸が90番手で打込み本数は295本です。リストの直ぐ上のFB135は経糸・緯糸とも80番手で打込み本数が307本あるのに比べるとPBは緯糸が細くなって、打込み本数が減っていますから、FB135に比べると密度が低いことがわかります。

打込みが甘くて柔らかい反面、羽毛の吹き出しリスクが高い

柔らかく感じる一方、打込みが甘いために羽毛の吹き出しリスクが高くなります。生地のロットにもよるのでしょうが、結構吹き出るという話があります。

重量が同等の当店オリジナル生地SB100(旧S9100)と比べると

ダウナ羽毛布団のリフォームで一般におすすめしているのが、当店オリジナルのSB100(旧S9100)生地です。こちらは経糸・緯糸とも100番手とより細番手の超長綿を使い、打込み本数は350本です。この生地は日本で製織・仕上げをしていて、カムフィット(ソフト)加工を2回、椿オイル仕上げをしていて、国内基準ぎりぎりまで通気度を上げてソフトに仕上げています。

SB100はダウナ用生地に比べると、糸が細く打込みが多いため最初の印象はどうしても硬めに感じてしまうのです。使用されて生地がなじんでくると、ほとんど判らないでしょう。

ドイツ製羽毛布団用生地のTE200はもっと柔らかくて軽い

ダウナ羽毛布団のリフォームのハイグレード仕様では、ドイツWeidmann社のTE200生地を使います。TE200生地は経糸・緯糸ともに110番手の極細超長綿を使い、打込み本数は351本で75g/㎡と超軽量に仕上がっています。サンダース社の生地でいえばFB200が同クラスに相当します。

通気性も優れている生地で、風合い重視であればこちらがおすすめです。逆に、使用年数が長いダウナ羽毛布団だと、ダウンファイバー(羽毛ゴミ)が増えるので、ダウナの生地同様に吹き出しのリスクがあります。

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