羽毛布団、羽毛布団リフォーム6/1価格改定

大塚家具ダウナ羽毛布団の純正リフォームでトラブル

目次

ダウナ羽毛布団の純正リフォームしたら羽毛が吹き出てきた

お客さまからのご相談です。ダウナの羽毛布団を大塚家具さんの純正リフォームをしたところ6年ぐらいで生地から羽毛が吹き出してくる、とのこと。

そこで、羽毛布団を送っていただきました。側生地はダウナと同じ生地でリフォームをされています。(ように見えましたが、実際は異なる生地でした-後述)。リフォームの工場は山梨県です。確かに羽毛の生地のあちらこちらからダウンファイバーと呼ばれる羽毛ゴミ(一定含まれます)が吹き出しています。

この吹き出しは全くゼロというわけではありません。特にダウナのようにヨーロッパ製の生地を使っている場合、通気度が日本の生地より良いために、通気性が良い分羽毛にゴミが多いと吹き出しやすくなります。このお客さまの場合はかなり目立って困ってらっしゃいました。

当社の場合、ダウナクラスの通気度の生地の場合は、450dpクラスのマザーグース、あるいは手選別のステッキーグースダウンしか使いません。低級な羽毛を入れると羽毛の吹き出しが出てしまうからです。

https://down-reform.com/reform_process/howtoselect-fabric.html

中の羽毛を取りだしてみると

純正のリフォームをされたダウナ羽毛布団の中身

下の画像は元々のダウナの本体から取り出した羽毛ですが、明らかにリフォームされた羽毛の方が小さなダウンが目立ち、絡み合ってしまった重いダウンの塊やダウンファイバーなどが多いのです。実際に羽毛布団の重量を計ってみると、2,000gぐらいで、側生地が820g 羽毛が一部側生地に残っていることを考えますと、推定羽毛充てん量は1,200gです。ダウナの羽毛布団は元々が1,050gですので、150g増えています。(現在のダウナは960g入りです。どのように仕様変更になったかは不明です。)

当店で実際にダウナをリフォームした経験からすると、430dpの羽毛を足して元と同じ1,050gでも十分ふっくら仕上がっています。

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そこから考えるに、足し羽毛の品質が十分でなくダウナより低グレードの羽毛が入っているために吹き出しが出るのではないかと推測されます。あくまで推測でしかありませんが、オリジナルのダウナの羽毛より質が劣っているようです。そうでないと1200gも充填する意味がありません。

 

ダウナオリジナルの羽毛のサンプル

オリジナルより低グレードの生地が使われていた

今回のリフォームされたダウナ羽毛布団を解体した後の側

ダウナ羽毛布団も製造時期によって生地が違うのかもしれませんが、今まで多くのダウナ羽毛布団のリフォームを行なってきた経験からいいますと、側単独の重量は680~700g。サイト情報からは打込み295本となっています。生地はドイツ・サンダース社製という情報を得ましたので、サンダース社の生地カタログを見ていますとので、PBというのがあります(PrivateBlandの略?)これは、81番手90番手の超長綿平織生地で、打込みも295本とありますので、この生地ではないかと推測されます。

当社のS9100も同じクラスの生地ですが、打込みが350本あって生地重量85g/㎡ 側重量730gぐらいです(側重量は湿度によって変わります)。ダウナは立体キルトに使用しているマチの生地が薄い(しばしば破れる)ので、生地総重量がS9100より軽いのだと思われます。

サンダース社の平織生地一覧

ところが今回の羽毛布団を解体していると、「あれっ?側生地がいつもより厚くない?」と感じました。オリジナルにある柔らかさがありません。

解体後の側重量を計ったところ820~830g(2枚ご注文でした)ありました。以前にダウナそのものを解体したときは約700gでしたので、湿度の違いを考えても重すぎます。ちなみに私どものSB8080(80番手平織 生地重量94g/㎡)での側生地重量は790g。解体後の羽毛側に羽毛が一部残っていることを考えますと、80番手の平織生地が使われているのではないかとほぼ同じレベルではないかと思われます。(上のサンダース社でいうとFB135 81/81 90g/㎡ もしかしたら手触りから PX 60/60 103g/㎡の可能性もあり)

大塚家具さんのリフォーム価格をみるとレギュラー側となっているので、その可能性が高いですね。生地が重くなった分、多めに充填するようになった可能性があります。

ここに記載している内容は事実ではありますが、生地等についての記述は、いままで多くのダウナのリフォームを自らが解体して手がけてきた店主の推測であることをご理解ください。 なお、生地重量は季節によって変動します。今回の事例は7月の最も湿度の高い時期ですので、側が湿気を吸って少し重めに出ます。

S9100生地を使ってリフォームを行なうのがベスト

このような場合、TE270(通気度6.0cc)やTE200(通気度5.0cc)などのヨーロッパ製の生地で再度リフォームをしても、同じように吹き出す可能性があります。新品では問題がでなくても、丸洗いをすると通気度はさらに上がるために、丸洗い後に吹き出すリスクも一定あります。

このような場合のおすすめは、当店オリジナルのS9100生地です。通気度は3.5ccと国内規格の上限ぎりぎりで仕上げられているため、通気度1~1.5ccの一般的な綿100%の生地よりも通気性が良く、生地もヨーロッパ製なみの85g/㎡と軽量です。

リフォームの顛末

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