二人でダブルサイズの布団を取り合いしていませんか?
結婚するときに「ダブルサイズ」を買ったはずなのに、幅が狭くて毎日布団の取り合いをしています。ベッドはダブルだから、掛もダブルサイズでいいんですよね?
シングルサイズは150×210cm なのに ダブルサイズは190×210cmしかない




掛ふとんの場合、ダブルだからシングルの倍あるわけではありません。ダブルサイズはシングルサイズより40cm広いだけなんです。取り合いになって当たり前なんですね。一人当たりの幅は95cmしかありません。シングル150cm幅の2/3しかないのです。
最初からクィーンサイズ210×210cmにすれば良かった


クィーンサイズは一般的でない特殊サイズと思われがちですが、横幅は210cmありますから、ダブルサイズのベッドでもちょうどいい加減です。私たちは30年前から二人用はクィーンサイズをおすすめしているのです。
体格が良いのでクィーンサイズでも足らないかも・・・という場合はキングサイズ230×210cmをおすすめします。
なお、ドイツから輸入しているTE135GとTE200、TE270は225cmの超ワイド幅の生地なので、セミダブル以上の幅でも生地の幅継ぎがありません。
(クィーンサイズを220cmにしているメーカーも一部あります)
リフォームの機会にクィーンサイズへのサイズアップを
ケース1:暑すぎるダブルサイズ(13年使用)を、中厚のクィーンサイズに
結婚の際に購入されたダブルは嵩がありすぎて、マンション住まいでは暑すぎるという東京のお客様のケース。
ダブルサイズ13年ご使用。側生地は超長綿60サテン、キルトが5×5マスでロイヤルゴールドラベルの羽毛の量が1.8kg入っていました。「膨らみすぎてフィットしない、暑すぎるので何とかしたい」とのご要望
羽毛1.8kgを解体・洗浄・除塵を行ったところ1550gでした。中厚に仕上げるのであれば十分な量なので、SB100軽量オリジナル生地のクィーンサイズで仕上げました。
かかった費用は リフォーム加工代 ダブルサイズ 18,700円+SB100 7×6完全立体キルト79,200円 合計で97,900円(税込)でした。
ケース2:17年ご使用の大塚家具ダウナ羽毛布団をクィーンサイズに
大塚家具のダウナ羽毛布団の場合は、さらにやっかいです。ダウナ羽毛布団のダブルサイズは185×210cmとなっていますが、実際には側サイズのサイズに近く、仕上がりの実サイズは180cmを切ります。


国産の一般的なダブルサイズは羽毛を詰めない側生地だけで200×220cmあります。キルトは5×5もしくは二層式が多いですね。この側に羽毛を入れて仕上げると、羽毛の分膨らむため製品サイズは190×210cmと表示されます。
実際の実サイズは、中に入れる羽毛のパワーと充填量によって異なります。羽毛を入れすぎると180cmぐらいしかなかったりします。
このダウナ羽毛布団もお二人でご使用でしたので、クィーンサイズに仕上げましたが、足し羽毛は550g必要でした。詳しくは、その記事をご覧ください。


ふとんのダブルサイズ表示あれこれ
日本の昔の布団サイズの決まり方
かつて木綿わた布団が中心だった40年以上前のことです。ダブルサイズは175cmぐらいでした。
布団用反物の小幅は鯨尺とよばれる38cm幅です。これを3幅繋げると縫い代をのぞくと105cm幅になります。これがシングルの敷ふとんの側サイズでした。今でもベッド用ボックスシーツの幅は100cmですが、包布式敷ふとんカバーのシングルサイズは105cm幅です。
掛ふとんは4幅つなげて、裏地に5幅使う鏡仕立てという方法で、掛ふとんの幅は4.5幅=155cmでした。シングルサイズの幅が150cmなのは、ここから来ています。
シングルの掛ふとんを四布五布(よのいつの)、あるいは四巾半と呼び、敷ふとんを三巾と呼んだのはここからきています。今となっては死語ですね。
日本の昔のダブルサイズは175cm~180cm
ダブルサイズは掛布団が 四布六布(よのむの) または五巾で側サイズが175cm 敷ふとんは四巾で 136cmというのがかつてのダブルサイズでした。実際の仕上がりは、綿が入る分小さくなりますが、当時は布団表示サイズ=側サイズが一般的でした。
ベッドのダブルサイズが140cmということがあり、実際136cm(実寸130cmくらい)では狭かったことと、キルティングで側サイズと実仕上がりサイズが乖離してきたためか、ダブルサイズを掛180cm、敷140cmの仕上げサイズ統一されてきたのが1985年ぐらいです。
このころの羽毛布団には 側サイズ190×220cm 製品サイズ180×210cmと両方併記されていました。
羽毛布団の普及とともに、ダブルサイズの掛布団は190×210cmに
1990年頃、羽毛布団が急速に普及し始めると同時に、結婚時にダブルサイズベッドの需要が増えてから、ダブルサイズをもう少し幅広くしようということになり、現在の190×210cmに落ち着きました。
ただ、当時ベッドにワイドダブルサイズ(154cm幅)が増えたために、より幅の広いクィーンも増えてきたのです。