羽毛布団、羽毛布団リフォーム6/1価格改定

西川製羽毛布団の羽毛充填量が表示より少なかった件

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西川製の羽毛布団で表示の充填より、実際の充填量が少ない

最近立て続けに4件、西川の羽毛布団で表示の充填量より、実際の充填量が少ないという事例が続きました。西川産業(東京西川)が2件、西川リビングが2件です。同時期にリフォーム加工した京都西川のは問題ありませんでした。(現在では西川産業、西川リビング、京都西川は合併して西川になっています)

旧西川3社の中でも西川産業は特にきっちりとしていたので、驚きです。

私たちはリフォームの際に、実際の充填量を計測します

眠りのプロショップSawada・羽毛工房ダウンラボでは、お預かりした羽毛布団について、解体前の重量と、解体後側だけになった重量を量って、実際に取り出した羽毛の量を計算しています。

上記の画像、旧西川リビングの羽毛布団の場合、2枚色違いでリフォームのご注文を受けました。品質表示ラベルは詰め物重量1.3㎏(1300g)となっています。

実際に解体計量を行いますと、1枚は解体前2278g-解体後側1070g=1208g、もう1枚は解体前2280g-解体後側1058g=1228gでした。表示重量に比べると70~90g不足しています。解体後の側には羽毛が付着しているので表示の充てん量よりは少なくなりますが、私どもでは結構きれいに取りますので、実際に入っていた羽毛量の10~20gぐらい少なくなるという感じです。

一般には、製造時の充填量の誤差があったりしますので、同時期に購入されても、このように差が出ることはあります。羽毛の重量は含む水分量によっても異なってきますので、同じ柄であっても製造時期によって異なることも考えられます。側生地も、表は同じでも縫製工場が変わると、立体マチに使う資材が異なったりしますので、重量に差がでます。

特にネックフェザー(先が鋭い小羽根-ダウンジャケットから出てくるタイプのもの)が多い羽毛は、側生地にへばりついていますので、正確に元の充填重量を推定するのは難しいのですが、今回は1300g充填表記で1200gちょっと、100g近い差が出ています。もとの羽毛が充填不足だったのは間違いありません。他の2例でも、表示に対して100g不足しているものでした。

羽毛そのものは、しっかりした品質

中の羽毛はしっかりした良質のものです。もともと1200gでも、十分に嵩が出ていたと推定される状態です。逆に表示通り1300g入っていたら、膨れすぎてしまい、反って良さを損ねかねないと思われます。実際リフォームは80番手サテン生地で行いましたが、足し羽毛をして1200g充填で十分な嵩で仕上げることができました。

他メーカーで充填量が表示より多いケースは結構あります

逆に他のメーカーでは、表示以上に羽毛が入っているケースが少なくありません。1300g表示で1400g入っていたりします。ひどいと200g以上多く入っていることもあります。

これらのケースは、羽毛の質が悪いのをごまかすために増量していることがほとんどです。実際にリフォームしてみると、はっきりわかります。元々、重量を計測することにしたのも、1300g表示で、洗浄除塵後に1300g以上あるというような、訳の分からないケースが散見されたからです。

原因は不明です

好意的に考えるのであれば、当初企画していたものより、実際の羽毛のパワーが非常に良かったので、1200gでも十分と判断したのかもしれません。

実際私どもでも、430dpのポーランドホワイトグースダウン入りの中厚羽毛掛布団は850gが標準なのですが、ロットによっては嵩があって「800gでも十分じゃないか」と考えることもありますが、それはそれで、ちゃんと850gを充填しています。

とはいえ、日本を代表するメーカーです。表示通りに作られていないというのは、ちょっとまずいですね。

実際、西川の羽毛布団では、特にダブルサイズでは表示の充填量そのものが、本来あるべき量より多い場合が多かったのは事実です。今回の1例だと、440dpクラスの非常に良い羽毛が入ったダブルの羽毛布団に1.8㎏表示でした。実際は100g少ない1700gでしたが、それでも多すぎます。眠りのプロショップSawadaのダブルサイズの羽毛布団の充填量は440dpクラスだと1250~1300gです。80番手サテンで多めに入れても1500gがせいぜいでしょう。

適正な羽毛の充填量を考えましょう

どうも昨今の業界をみていると、ダウンパワー競争に陥っているように思われます。実物をみると、「本当に440dp?」と疑うようなものも散見されます。

80番手サテンクラスでも、しっかりした440dpの羽毛であれば普通厚で1100gで十分、100番手平織なら950gが標準充填量です。

昨今は住宅の気密性・保温性がかなり向上していますので、中厚でも十分なケースがあります。住環境や体質に合わせて、最適な充填量やキルティングをお届けしていくことが重要ではないかと考えます。

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