暖かいですよと、ふっくらした羽毛布団を勧められたものの
東京都区内のマンションにお住いのお客様。デパートで「二層構造になっていて、いい羽毛を使っていますのでふっくらと暖かいですよ」と勧められて購入なさったお客様からのご相談です。
たしかに暖かい羽毛布団なのだけど、嵩が出すぎて暑く感じられる、もう少し薄くできないか?とのご要望です。
最近は高気密高断熱住宅が増えてきたので、部屋はそこそこ暖かい
都市部のマンションに限らず、最近は高気密高断熱の住宅が増えてきました。北海道のような寒い地域では、高気密高断熱の住宅が多いので、外は寒くても中は暖かいというケースが少なくありません。
このような住宅の場合、寝具は保温よりも湿度のコントロールの方が重要になってきます。快適な睡眠環境である温度33℃湿度50%を得るには、湿気を逃がす工夫が必要なのです。
羽毛布団をリフォームして、薄く仕上げる要望が増えています
ある北海道のお客さまの例です。中の羽毛はシングルサイズのしっかりしたポーランドのマザーホワイトグースでダウン率は95%、おそらく430~440dpのダウンパワーと思われます。5×6マスとマス目が多く、羽毛が1000g入りで、普通の羽毛布団よりは少し薄いぐらいです。
ただ、室内が暖かいのでもっと薄くしてほしいとのご要望でした。中厚布団と肌掛布団にする提案をいたしました。1000gの羽毛を洗浄・分別・除塵を行うと860gほどになりました。これに440dpのハンガリーホワイトグースダウンを200g足して、中厚の約700gと肌掛け約350gの2枚に仕上げました。
シングルの羽毛布団をリフォームして、500~600gの合掛け布団を2枚作るなど、従来の厚さが不要のお客様は、中厚や合掛けへリフォームをご希望されることが多くなりました。
住環境と体質に合わせて仕上げの厚さを選ぶ
保温力の目安を知り、キルティングと充てん量を選ぶ
寝室の保温力や、使う人の体質に合わせた選ぶことができます。もちろん、羽毛の量を増やしたり減らしたりすることができます。
オールシーズンということであれば、一般的な厚さの場合は7:中厚+3:肌掛で組み合わせます、都市部のマンションや高気密高断熱住宅であれば5:合掛+2:肌掛-の組み合わせでもいいでしょう。
厚さ | 代表的な使用時期 | 具体的には | キルティング(マチ高) |
---|---|---|---|
10:厚手 | 12~3月 | 日本家屋で寒がり | CON二層キルト |
9:普通厚+ | 11~3月 | 通常家屋で寒がり | 変形5×5 7cm |
8:普通厚 | 10~4月 | 一般的に販売されている標準厚 | 変形5×5 7cm |
7:中厚 | 10~4月 | 高気密高断熱住宅、暑がり、子ども | 5×6 7cm |
6:中厚- | 10~5月 | 高気密高断熱住宅で暑がり | 5×6 7cm |
5:合掛 | 3~5月 9~11月 | 冬用では暑く感じる場合 | 5×6 4cm |
4:肌掛+ | 4~5月 9~11月 | 主に初夏 | 5×6 直 |
3:肌掛 | 5~6月 9~10月 | 初夏~梅雨明け 冬は重ねて | 6×7 直 |
2:肌掛- | 5~7月 9~10月 | 夏にエアコン使用時 | 6×7 直 |
1:薄掛 | 6~9月 | 夏にエアコン使用時 | 7×9 直 |
価格表中 厚手は厚さ10、普通厚は厚さ8、中厚は厚さ7、合掛は厚さ5を示します。
羽毛の充填量は、羽毛のパワーと側生地の重さによって異なります。この厚さ表示は、目安とご理解ください。
季節や体質や住環境に合わせて、10段階の厚さを用意しました
寒がりの方におすすめ 厚さ10 厚手 二層CONキルト 最も高い保温性がある二層構造でふっくら仕上げた厚さ10の厚手仕上げ。 寒がりの方、特に寒冷地や、伝統的な日本建築など保温性の低い住環境の方におすすめ。 二層CONキルトは、市場に多いツインキルトよりも、マス目が多いので片寄りが少ない。 | |
標準的な保温力 厚さ8~9 普通厚 変形5×5立体キルト 7cmマチ 標準的な厚さ。身体の中央部に縫い目が来る4×5マス(シングル)の欠点を改良して、保温性を改善したキルト。 厚さ8が普通厚の標準で、少し保温力を上げたい場合には羽毛を増量した厚さ9(普通厚+)にする。 | |
都市部のマンションや暑がりの方に 厚さ6~7 中厚 5×6立体キルト 7cmマチ マス目を増やすことで、薄めの厚みで保温性を向上させたキルト。 都市部のマンションや高気密高断熱住宅であれば、これがベスト。通常の住宅でも暑がりの人や、代謝量の高い子どもや若い男性などにもおすすめ。 厚さ7が中厚の標準で、さらに暑がりの方は羽毛の量を減らした厚さ6(中厚-)にする。 | |
中間時期に重宝する厚さ 厚さ5 合掛け 5×6立体キルト 4cmマチ 4~5月、10月などの季節に向いた、中厚よりマチを低くしてさらに薄めに仕上げたキルト。 冬用を使うには暑すぎて、肌掛けを使うには薄いという季節用で、厚さ5が合掛け。 高気密高断熱住宅の子どもさん用にもおすすめ。 | |
寒がりの方向けの肌掛 厚さ4 肌掛け+ 5×6直キルト 標準的な厚さ3の肌掛よりは厚手の仕上げにするため、マス目を中厚や合掛けと同じにして、直キルトにしたもの。 肌掛より羽毛の量が約25~30%多めにしている。 | |
初夏から夏へ使う肌掛 厚さ2~3 肌掛け 6×7直キルト 5月~10月上旬にかけて使用する肌掛布団。キルトマスを中厚より増やして、2枚重ねでも使えるようにしている。 厚さ3が肌掛の標準で、それよりも暑がりの方向けに羽毛を約20%減らした厚さ2(肌掛-)がある。 | |
真夏にエアコンと一緒に使う薄掛け 厚さ1 薄掛 7×9直キルト 真夏等にエアコンを使う場合などに、厚さ1の薄掛を使用する。(あるいは、厚さ2の肌掛-) キルトマスは63マスと多く、最も薄い。 |