羽毛布団がふっくらしすぎで、蒸れて暑い→薄く仕立て直し

目次

暖かいですよと、ふっくらした羽毛布団を勧められて購入したけど、使って見ると暑い

東京都区内のマンションにお住いのお客様。デパートで「二層構造になっていて、いい羽毛を使っていますのでふっくらと暖かいですよ」と勧められて購入なさったお客様からのご相談です。

たしかに暖かい羽毛布団なのだけど、嵩が出すぎて暑く感じられる、もう少し薄くできないか?とのご要望です。

高気密高断熱住宅では、過度な保温力は不要です

都市部のマンションに限らず、最近は高気密高断熱の住宅が増えてきました。北海道のような寒い地域でも、高気密高断熱の住宅が多いので、外は寒くても部屋の中は暖かいというケースが少なくありません。

伝統的な日本家屋では、部屋の保温性が悪いために、布団も保温性重視になっていましたが、高気密高断熱住宅では冬の部屋温度が15℃以上であることが多く、寝具は保温よりも湿度のコントロールの方が重要になってきます。

住宅(特に寝室)の環境、使う方の体質(暑がり・寒がり)に合わせた、仕上げの厚さと生地選びが重要です。

暑すぎる原因1:保温力重視の二層式構造の羽毛布団

二層構造の羽毛布団 確かに暖かいが「余分な水分だけを発散」とはならない

二層構造の羽毛布団には2種類あります。

1:側生地の中間にもう一枚生地を挟み、上部と下部のキルティングを替えることで、厚さを均一にしたもの

2:半分の厚さの羽毛布団を、貼り合わせて1枚に仕上げたもの(最近はあまりありません)

いずれも、保温力をアップするために考え出された縫製方法です。中間の生地は軽くするため、ポリエステルやナイロンなどのタフタと呼ばれる軽いものの通気性が悪い生地が使われます。そのため、さらに蒸れる原因となります。

二層構造の羽毛布団に使われるナイロンタフタの中生地

暑すぎる原因2:立体キルトのマチ高が10cm以上ある羽毛布団

肌掛けや薄掛けを除くほとんどの羽毛布団は立体キルトという、側生地の間にマチを立てて、箱状になっています。このマチ高は一般的なものは5~7cmが多いのですが、ふっくら仕上げるために10~11cmで仕上がったものがあります。

二層式まではいかないものの、暑くて蒸れやすい羽毛布団になります。

暑すぎる原因3:羽毛を真綿でサンドイッチした真綿羽毛布団

0.3kgぐらいの真綿を表・裏に使い、0.8~1.0kgの羽毛をサンドイッチ構造で仕上げたものです。肌沿いが柔らかくフィット性が良いので、一部のメーカーで使われています。

真綿と羽毛の境界には、上述のタフタ生地が上部と下部で2枚使われるため、湿気の抜けが悪い羽毛布団になります。

暑すぎる原因4:ポリエステル生地を使った羽毛布団

羽毛布団に使われる側生地は、かつては綿100%のサテン織生地がほとんどでした。しかしながら、今日ではポリエステル100% もしくは ポリエステル85%綿15%のような、ポリエステル主体の側生地が主力になっています。

一般にポリエステルを使った生地は、通気性が悪く、羽毛布団が蒸れる原因となります。ふっくらしていなくても、湿気が逃げにくい生地なので蒸れやすくなります。

  • 綿100%サテン生地は綿100%なので悪くありませんが、通気度は1.5㏄前後のものが一般的です。
  • ポリエステル混生地 綿15%ポリエステル85%などの組成の生地が多いでしょう。通気度は0.7~1.0ccと綿サテン生地よりさらに劣ります。
  • ポリエステル100%生地 ホームセンターなど量販店の羽毛布団の多くがポリエステル100%生地です。安いのですが、通気度は0.5~0.8㏄とさらに劣ります。

ポリエステル100%の生地で二層式となると、絶望的に通気が悪い羽毛布団に仕上がります。羽毛や羊毛は保温性が良く、吸湿発散性が良い快適な素材ですが、通気性が悪い生地ではその良さが活かされません。

快適な睡眠環境である温度33℃湿度50%を得るには、湿気を逃がす工夫が必要なのです。

対策その1:実情に合わせた布団の厚さに仕上げる

高気密高断熱住宅では、いままで一般的とされた普通の厚さ(シングルで羽毛量が1100~1300g)でも厚すぎる×暑すぎる傾向にあります。

かといって、合掛まで薄くすると保温力不足となることが多いのです。

普通の厚さと合掛けの中間ぐらい、中厚(下記の厚さ6~厚さ7)ぐらいで、十分な保温性を得ることができます。(寒がりの方は厚めを選択してください)

季節や体質や住環境に合わせて、10段階の厚さを用意しました

薄手の羽毛布団のご要望が増えたため、眠りのプロショップSawada・羽毛工房ダウンラボでは仕上げの厚さを10段階で選べるようにしました。

厚さ代表的な使用時期具体的にはキルティング(マチ高)
10:厚手12~3月日本家屋で寒がりCON二層キルト
9:普通厚+11~3月通常家屋で寒がり変形5×5 7cm
8:普通厚10~4月一般的に販売されている標準厚変形5×5 7cm
7:中厚10~4月高気密高断熱住宅、暑がり、子ども5×6 7cm
6:中厚-10~5月高気密高断熱住宅で暑がり5×6 7cm
5:合掛3~5月 9~11月冬用では暑く感じる場合5×6 4cm
4:肌掛+4~5月 9~11月主に初夏5×6 直
3:肌掛5~6月 9~10月初夏~梅雨明け 冬は重ねて6×7 直
2:肌掛-5~7月 9~10月夏にエアコン使用時6×7 直
1:薄掛6~9月夏にエアコン使用時7×9 直

代表的な使用時期については、あくまで目安です。

寒がりの方におすすめ
厚さ10 厚手 二層CONキルト

最も高い保温性がある二層構造でふっくら仕上げた厚さ10の厚手仕上げ。
寒がりの方、特に寒冷地や、伝統的な日本建築など保温性の低い住環境の方におすすめ。
二層CONキルトは、市場に多いツインキルトよりも、マス目が多いので片寄りが少ない。
中間記事はメッシュを使うので、通気性も損なわれない(定番品に採用)
 標準的な保温力
厚さ8~9 普通厚 変形5×5立体キルト 7cmマチ

標準的な厚さ。身体の中央部に縫い目が来る4×5マス(シングル)の欠点を改良して、保温性を改善したキルト。
厚さ8が普通厚の標準で、少し保温力を上げたい場合には羽毛を増量した厚さ9(普通厚+)にする。
 都市部のマンションや暑がりの方に
厚さ6~7 中厚 5×6立体キルト 7cmマチ

マス目を増やすことで、薄めの厚みで身体へのフィット性を向上させたキルト。
都市部のマンションや高気密高断熱住宅であれば、これがベスト。通常の住宅でも暑がりの人や、代謝量の高い子どもや若い男性などにもおすすめ。
厚さ7が中厚の標準で、さらに暑がりの方は羽毛の量を減らした厚さ6(中厚-)にする。
中間時期に重宝する厚さ
厚さ5 合掛け 5×6立体キルト 4cmマチ

4~5月、10月などの季節に向いた、中厚よりマチを低くしてさらに薄めに仕上げたキルト。
冬用を使うには暑すぎて、肌掛けを使うには薄いという季節用で、厚さ5が合掛け
高気密高断熱住宅の子どもさん用にもおすすめ。
寒がりの方向けの肌掛
厚さ4 肌掛け+ 5×6直キルト

標準的な厚さ3の肌掛よりは厚手の仕上げにするため、マス目を中厚や合掛けと同じにして、直キルトにしたもの。
肌掛より羽毛の量が約25~30%多めにしている。
 初夏から夏へ使う肌掛
厚さ2~3 肌掛け 6×7直キルト

5月~10月上旬にかけて使用する肌掛布団。キルトマスを中厚より増やして、2枚重ねでも使えるようにしている。
厚さ3が肌掛の標準で、それよりも暑がりの方向けに羽毛を約20%減らした厚さ2(肌掛-)がある。
真夏にエアコンと一緒に使う薄掛け
厚さ1 薄掛 7×9直キルト

真夏等にエアコンを使う場合などに、厚さ1の薄掛を使用する。(あるいは、厚さ2の肌掛-)
キルトマスは63マスと多く、最も薄い。
厚さ10 厚さ8 厚さ7 厚さ5 厚さ3 が標準的な厚さの選択です

厚さ8~9のキルティングはシングルは変形5×5ですが、その他は均等巾で、セミダブル・ダブルは5×5、クィーンは6×5になります

オールシーズンということであれば、一般的な家屋の場合は、厚さ7:中厚に厚さ3:肌掛を組み合わせます、都市部のマンションや高気密高断熱住宅であれば厚さ5:合掛に厚さ2:肌掛-を組み合わせでもいいでしょう。

対策その2:綿100%軽量で通気性の良い平織生地を使う

通気性の良い綿100%の平織生地をおすすめしています。当社の平織生地は通気度が2.5~6㏄と、多く出回る羽毛布団生地の通気度0.5~1.5㏄と2~4倍も通気性が良いのです。特徴としては

  • 通気性が良いため、湿気の循環が早く蒸れにくい
  • 軽いので、側生地に湿気を含みにくく乾きやすい
  • 軽いので、羽毛が含む空気の量が増えて、良さを活かしやすい+羽毛の量を減らせる

羽毛布団をリフォームして、軽く薄く仕上げるご要望が増えています

ある北海道のお客さまの例です。中の羽毛はシングルサイズのしっかりしたポーランドのマザーホワイトグースでダウン率は95%、おそらく430~440dpのダウンパワーと思われます。5×6マスとマス目が多く、羽毛が1000g入りで、普通の羽毛布団よりは少し薄いぐらいです。

ただ、室内が暖かいのでもっと薄くしてほしいとのご要望でした。中厚布団と肌掛布団にする提案をいたしました。1000gの羽毛を洗浄・分別・除塵を行うと860gほどになりました。これに440dpのハンガリーホワイトグースダウンを200g足して、中厚の約700gと肌掛け約350gの2枚に仕上げました。

シングルの羽毛布団をリフォームして、500~600gの合掛布団を2枚作る、あるいは合掛布団と肌掛布団を1枚ずつ作るなど、従来の厚さが不要のお客様は、中厚や合掛け、肌掛けへリフォームをご希望されることが多くなりました。

羽毛布団をリフォームする時は、眠りの質も考えてリフォームしましょう

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