羽毛布団、羽毛布団リフォーム6/1価格改定

大塚家具のダウナ(DAUNA)羽毛布団はなぜヘタって片寄るのか?

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ダウナ羽毛布団がなぜ、ヘタリが大きいのか?

当店に持ち込まれるダウナの羽毛布団ですが、その多くがかなりへたった状態になっています。新品の時点ではそこそこふっくらしていたはずですが、なぜでしょうか?

ダウナ羽毛布団の羽毛はポーランド・ポメラニア地方のマザーグースダウンとされています。私どももポメラニア地方のステッキーホワイトグースダウンを長年カウフマン社より仕入れており、その品質には高い評価をしておりますので、不良な羽毛が入っているとは考えられません。

最大の原因はヨーロッパ製の通気性の良い生地

ダウナの生地はヨーロッパ・サンダース社の平織生地で、81/90番手の295本打込みで生地重量85gぐらいです。ヨーロッパの生地は日本の生地に比べると通気性が格段に優れています

通気性の良い生地の方が、空気の循環が早く、素早い温湿度の調節ができます。ヨーロッパでは羽毛は古くから使われています。彼らにしてみれば、布団から羽毛が飛び出すのは特別でもなんでもない、という歴史があります。ヨーロッパの羽毛用の平織生地は通気度が5.0cc/s~10.0cc/sと高いのが特徴です。

一方通気性が良くなると羽毛の吹き出しが増えます。羽毛布団の歴史が浅い日本では、側生地から羽毛が飛び出すということは、即クレーム返品につながりました。そこで、ダウンプルーフという吹き止め加工を強くかけてきました。その為、日本の綿100%の羽毛布団生地の通気度は1.3~2.0cc/sと低く抑えられてきたのです。ちなみに日本の規格では平織で4cc/s以下、サテンで3.5cc/s以下とされています。ヨーロッパの生地は日本の基準には合わないものが多いのです。

さらに昨今増えたポリエステル100%やポリエステル混の生地は1.0cc/s未満のものが多くなりました。これらは、ウォッシャブル羽毛布団の生地として採用されていることが多く、しかも低グレードのゴミの多いダックダウンを入れる事がほとんどです。丸洗いしても羽毛が吹き出さないようにするには、綿100%の生地以上にダウンプルーフを強くかけるものがほとんどです。その結果、洗えるけど通気性が悪くて蒸れやすい、という訳の分からない羽毛布団が増えましたのです。

通気性の良い生地は羽毛が汚れやすい

通気性の良い羽毛は湿気の循環が早い分、羽毛が汚れやすくなります。

そのために、使用しているうちに汚れが付いて、嵩が減ってしまい「新品に比べるとずいぶん薄くなってしまったわね」ということになるのです。これはダウナに限らず、私どもで使用しているヨーロッパ製の生地を使った羽毛布団は基本的には同様の傾向にあります。

羽毛は呼吸をしますから、湿気の循環が良いということは良いことなのですが、定期的な丸洗いをしていただくことが、良い状態で羽毛布団を使い続けるコツとなります。日本の羽毛布団の場合は、通気性がヨーロッパのものより悪いので、羽毛が汚れるよりも、側生地が汚れることが多いですね。(下の画像参照)

ヘタリもあるが側の汚れの方が多い日本製生地の羽毛布団

もともと、側に対して羽毛の量が少なすぎるので片寄りやすい

ダウナ羽毛布団は側生地の設計体積量に対し、充填される羽毛の量が足りません。そのため、年数が経つとへたりと片寄りが顕著となるのです。

定期的に丸洗いをすることが長持ちの秘訣

3~5年ごと定期的に丸洗いをしましょう。そうすると、汚れがこびりつく前に、その都度落ちて回復します。現実には十数年そのままというケースが多いので、注意しましょう。

洗剤を増量、状態によっては2度洗いをしています

汚れが付いて長く置いておくと、洗浄時点で汚れを取りきることが難しくなります。衿の汚れをほったままにしておくと、洗濯しても取れないのとリクツは同じです。そうすると、羽毛を洗浄しても、乾燥工程で元通りに羽枝が開きにくくなります。つまり、元通りになりにくいのです。

そのためダウナのリフォームでは、通常より洗剤の量を1.5倍にしていますが、状態次第では通常洗剤は1回洗いのみですが、2回洗いをして、羽毛が戻りやすくするようにしています。

ちゃんと洗えばある程度は戻ります

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