百貨店で購入された、フィンランド製のアイダーダック羽毛布団
お母様が百貨店で購入なさったフィンランドJoutsen社のアイダーダックダウンです。20年以上長く使われていました。中央部から両サイドに羽毛が移動してしまい、真ん中はスカスカです。側生地がシルクサテンでしたので、あちこちが弱くなっており側から羽毛の吹き出しが見られました。800g入りの掛け布団と、300g入りの掛けふとんを1枚にして欲しいとのご要望です。
羽毛布団の充填方法に横入れと縦入れがあり、それぞれ一長一短あります。今回は横入れの羽毛でしたが、アイダーとは思えないぐらいに両側へ羽毛が移動してしまっていました。
羽毛の状態をみても、羽毛の絡みがあまりなく、正直これは外れで、小さなゴミも多かったことから、800g+300g=1,100gだけれども、羽毛洗浄後は20%減で900g取れたら良いのではないかと思われました。
絡みが戻ったアイダーダウン
ところが実際に解体してみると、表示より多めの羽毛が入っています。洗浄・除塵後でも、結果的には表示より多い1,130gのアイダーダックダウンが残りました。
アイダーダウン特有の絡みも戻っており、改めて良いアイダーダウンが入っていたのだと気付かされました。いままでの例では、絡みがほとんど戻らないケースも少なからずあったのです。上の画像は、アイダーダウンの吹込みのための軽量中です。一般的な羽毛だと、このようにてんこ盛りにすると、羽毛が飛んでいってしまいますが、このアイダーは絡みがしっかり戻っています。
当初は5×6マスキルトで仕上げる予定でしたが、1,100g以上残ったということもあり、変形5×5キルトで仕上げました。
リフォーム前の羽毛布団 兵庫県川西市Sさま | ||
サイズ | シングル 150×210cm | |
メーカー・使用歴 | フィンランドJoutsen社 使用20年ぐらい | |
羽毛 | アイダーダックダウン98% 中厚掛800g 肌掛300g | |
側 | 中厚掛 絹100%シルクサテン 肌掛 リヨセル55%シルク45% | |
所見 |
羽毛の吹き出しがひどく、両サイドへの片寄りもかなりあり、中央部は非常に薄くなっていました。羽毛の絡みも少ない状態でしたが、表示より多めの羽毛が入っており、洗浄後は絡みも戻り、8%ぐらいしか減りませんでした。 |
リフォーム前
リフォーム後
リフォーム後 | ||
リフォーム日 | 2024.6.28 | |
サイズ | シングル 150×210cm | |
側生地と総重量 | SB100 超長綿100番手平織りサテン 変形5×5立体キルト 7cmマチ | |
羽毛の量と足し羽毛 | 1130g | |
費用 | アイダーダウンリフォーム加工賃22,000円+肌布団解体代4,400円+SB100羽毛布団側44,000円 合計 70,400円(税込) |