羽毛布団、羽毛布団リフォーム6/1価格改定

リフォームできなかった羽毛布団

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ダウンボールが小さすぎる羽毛布団

お客様から10年使用なさった羽毛布団をリフォームして欲しいとのご依頼がありました。中身を開けてみて「うう~ん」としかでてきません。大手「無〇」のダウン90%表示の羽毛布団です。(今回はさすがに伏字です)

いままで3000枚以上の羽毛布団のリフォームを扱ってきましたが、量販店の羽毛布団は「買った方が安い」こともあり、あまり多く持ち込まれることがありません。中の羽毛を見てみたら・・・。

左が今回のダウンで、右がPWG93S(430dp)

ダウンボールの大きさが小さすぎるのです。比較対象のため当社のポーランド産ホワイトグースダウン93%(430dp)の羽毛と比べてみました。

ダウンボールの直径で控えめにみて5倍、ものによってはそれ以上の違いがあります。体積比だと3乗になりますから125倍以上の差になります。もちろん、10年間使用された羽毛は汚れなどで丸まっていることが多く、新品の羽毛と差が出るのは当たり前なのですが、それにしても元々のダウンが小さすぎます。

残念ながらリフォームしたいというご期待には沿えませんでした。できなくはありませんが、コストパフォーマンスが悪すぎて、新品の350dp程度の無印ホワイトダック85%を入れた方が、まだましだからです。ということで、今回はお買い替えをいただきました。

もう一つの大手はどうかというと…これもお値段相応の羽毛

こちらもお値段以上で有名な某大手の中身です。画像の縮尺が違うので単純比較はできませんが、こちらはダウンボールはもう少し大きめです。PWG93Sと対比すると1:2~1:3ぐらいでしょうか。この羽毛でも、ダウンファイバーやプルミュール(未成熟ダウン)が多く、単独ではリフォームに適していないので、足し羽毛の一部として使用するのが精いっぱいでした。

大量生産・大量消費ビジネスでは、品質に限界がある

いずれも日本では大手の会社で全国にショップ展開し、多くの羽毛布団を販売しています。決して不良品を販売しているわけではありませんし、コストダウンや品質への取り組みも定評があります。これらの店頭での販売価格から考えると、それこそ「リフォームするより買った方が安い」と、お客様自身がお考えになるのも無理はありません。

大量生産・大量消費のモデルの悲しい現実です。コストを切り詰めるためには、鳥にとって良い環境で長く育てるということは無理なのです。今回のように未熟としか思えないダウンボールとなるわけですが、これは果たしてサスティナブルでしょうか?

当社のSDGsポリシー、「長く使う・再利用する・生分解する」、「良い睡眠で健康を維持する」この実現のためには、良質の自然素材は欠かせません。

飼育環境はウソつかない

良い羽毛を得るには、良い品種の健康的な鳥を、広々とした良い環境で愛情をもって長く丁寧に育てるしかありません。ポーランドの農場を回ってそのことを痛感しています。

ダウンパワー競争も度が過ぎているのではないかと思います。パワーアップ加工をして、一時的にかさ上げしたとしても、長く使えば本当の羽毛の実力がでてきます。良い本物の羽毛は、リフォームを繰り返して長く快適に使えるのです。

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